「あさり・はまぐり・しじみ」
どれも日本人の食卓に馴染みのある食材ですね。スーパーで見かけるのはもちろんのこと、潮干狩りで獲ったことのある方も多いと思います。
ところで皆さんは、これら3種類の貝の違いがわかりますか?
実は、私ははっきりとはわかっていません。子どもたちとスーパーに買い物に行った時に、
「はまぐりの方が大きいから、あさりが大きくなったらはまぐり?」
「しじみは、はまぐりの赤ちゃん?」
と聞かれて、言葉に詰まったのは記憶に新しい出来事です。
両方の疑問に答えられなかったから、というのはもちろんのこと、やっぱり大人としてしっかり違いを知っておきたいですよね。それが、子どもと一緒にスーパーの生鮮食品コーナーに行く自信にも繋がります。
そこで、あさり・はまぐり・しじみの違いや見分け方について調べました。
あさり・はまぐり・しじみ それぞれについて
どれも食卓に馴染み深い食材ですが、
- 生物学上の何科に属するのか
- 生息地はどこか
などの詳細はご存じない方も多いのではないでしょうか?
1つずつ見ていきましょう。
あさりとは?
あさりの【生物学名】
二枚貝網 異歯亜網 マルスダレガイ上科 マルスダレガイ科 アサリ亜科
こんなに難しい生物学名だったとは!!衝撃的です。
あさりの【生息地】
日本以外にも、朝鮮半島や台湾、フィリピンまで広く分布しています。浅い、塩分の薄い海の砂や砂泥底に住んでいます。
砂浜で、ポツポツ穴が空いている部分を見かけることがありますよね?それは、あさりが呼吸するための穴です。群れになって生息する習性があるので、1つ見つけると、いくつも一緒に見つけることができます。
このように砂に潜っているのですね。
★二枚貝もぐる
あさりの【見た目・触感】
模様は、横シマや幾何学模様、無地など様々です。色は黒、白、白茶、茶、青、青白など多様な色をしています。同じ模様の個体はいないと言われているくらい、様々な模様と色があります。
ただし、北海道のあさりには、目立った模様は無く、一様に黄褐色がかった色をしています。
表面に筋が入っているので、触感はザラザラしています。
あさりの【大きさ】
最大で6cmほどにもなると言われています。私たちがスーパーで見かけるサイズは3〜4cmほどのものが多いです。
あさりの【旬】
3月〜6月が旬です。だから春には潮干狩りシーズンが到来するのですね。
はまぐりとは?
はまぐりの【生物学名】
二枚貝網 異歯亜網 マルスダレガイ上科 マルスダレガイ科 ハマグリ亜科
ハマグリ亜科以前は、あさりと同じです。見た目が似ているのは、近い種類だからなのですね。
はまぐりの【生息地】
浅い、塩分の薄い海の砂や砂泥底に住んでいます。これもあさりと同じですね。しかし、はまぐりは、あさりよりもやや深い砂の中に生息しています。潮干狩りで見つけるには、あさりよりもさらに、15cmほど掘り進めると良いでしょう。
はまぐりの【見た目・触感】
光沢があり、白っぽい模様が多いです。丸みのある、三角形に近い形をしています。表面は滑らかでツルツルしています。
はまぐりの【大きさ】
最大で10cmほどにもなると言われています。私たちが身近で見るはまぐりは、5〜6cmの物が多いです。
はまぐりの【旬】
2月〜4月です。桃の節句に「潮汁」としていただく時には、旬真っ盛りです。
しじみとは?
しじみの【生物学名】
二枚貝網 異歯亜網 シジミ上科 シジミ科
あさり・はまぐりとは、生物学上の科が違います。確かに、見た目は2つとだいぶ違いますね。
しじみの【生息地】
淡水、もしくは、淡水と海水が混じる場所です。もうすぐ海、という河口付近に生息しています。
しじみの【見た目・触感】
模様はほぼなく、黒色をしています。茶色も存在します。丸みのある形です。表面に細かい筋がありますが、あまりザラザラしていません。
しじみの【大きさ】
大体2〜3cmです。スーパーでも、可愛らしい大きさのしじみを見かけます。
しじみの【旬】
あさりやはまぐりと違って、少し特徴的です。
ヤマトシジミと呼ばれる種類は6〜8月、マシジミと呼ばれる種類は12〜2月が旬です。昔から「土用しじみは腹薬」、「寒しじみ」と言われているのは、同じしじみでも、旬が違うからだったのですね。
あさり・はまぐり・しじみはどう違う?見分け方は?
見た目の違いは?
細かく違いを挙げましたが、スーパーで「パッ」と見て子どもに教えてあげられるような見た目の違いをまとめてみましょう。
あさり → 色々な模様で、表面がザラザラ
はまぐり → 白っぽく、表面がツルツル
これなら小さな子どもにも上手に説明できそうですね。
栄養素の違いは?
3種類とも含有量に差はありますが、
- たんぱく質
- ビタミンB12
- ミネラル
- タウリン
が豊富で、さらに低カロリーなので、健康的な食材です。
これらに加えて、しじみにはオルニチンというアミノ酸が含まれています。このオルニチンは、肝臓の働きを助ける作用があります。「二日酔いにはしじみ汁」と言われているのは、このオルニチンの働きのことです。
しじみは、生物学上の科や生息地のほかにも、栄養素も似ているようで、やはり少し違うのですね。
貝にも色々ある
身近な食材である、あさり・はまぐり・しじみの違いや見分け方についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
私自身、知らないことばかりで驚きました。大きさや色の違いは何となく知っていたけれど、しじみも、あさりやはまぐりと、ほとんど変わらないと思っていたからです。まさか生息地が違ったとは!!
3種類の中で言われてみれば、群を抜いて見た目の違いが明らかだったのは、生物学上や生息場所の違いがあるからだったのですね。
このような違いを知った今、子どもたちに聞かれても、自信を持って教えてあげられます。
私自身、スーパーで購入する際に「これは、淡水と海水が混じり合う海で生息していた貝か」などと、今までとは違った目線で貝を見て楽しめそうです。
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