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福神漬けの由来は
七福神のように
福神漬けは、数種類の野菜を刻んでしょうゆベースの液につけたお漬物です。 福神漬けが誕生したのは明治初期で、東京・上野の漬物屋「山田屋」が考案したもの。そして福神漬けと名付けたのは、当時の流行作家であった「梅亭金鵞(ばいてい・きんが)」という人。
山田屋の店舗近くには不忍池があり、ここには弁天様を祀るお堂が。弁天様は七福神の紅一点で、福の神としても知られています。
美味しい漬物には7種類の野菜が使われていたので、七福神になぞらえて「福神漬」としたんですよ。
また梅亭金鵞が、福神漬けの美味しさを次のように例えたという説もあります。
「福神漬けさえあればおかずは不要なので、食費が安くなってお金が溜まる。すなわち家に七福神が舞い降りたかのような幸福感を、この漬物が授けてくれる」
七福神のようなお漬物だから福神漬けとは、作家らしい命名法ですね。
ちなみに山田屋は「酒悦」と店名が変わりましたが、当時と変わらない福神漬けを味わうことが出来ます。
なぜカレーの付け合せに?
福神漬けと言えば、カレーの付け合せに欠かせないもの。 この組み合わせを考案したのは、大正時代の日本郵船の欧州航路客船のコック。一等船客の食事としてカレーを提供した時に、福神漬けをつけたのが全国に広まったんですよ。 元々このカレーには、「チャツネ」というマンゴー・りんご・ももなどの果物を、お酢や香辛料で煮詰めたジャム状の食べものを付け合せとして使われていました。 しかし当時の日本人の口には合わず、あまり受け入れられませんでした。 そこでチャツネの代わりとなるものを探した結果、福神漬けが選ばれたのです。「福神漬け」の読み方は?

地域によって違いが
ところで、「福神漬け」をどう読みますか? おそらくは「ふくしんづけ」と読む人と、「ふくじんづけ」と読む人に分れるのでは。一般的なのは「ふくじんづけ」で、辞書にもこちらで掲載されていることが多いです。 こういった読み方の違いは、関東と関西で分れると思いがち。 ところが関東では「ふくじんづけ」というのに対して、関西はどちらの読み方もありなのです。
「ふくじんづけ」と読むのは、主に関東・東北・東海・九州地方。
「ふくしんづけ」と読むのは、主に四国・北陸・北海道・沖縄。
どちらの読み方もするのが、関西地方。
近い地方だからといって、読み方が同じと限らないのは面白いですね。
福神漬けに使われる材料は
福神漬けに使う野菜は
福神漬けの材料ですが、身近な野菜が使われています。 例えば福神漬けを考案した山田屋では、次の野菜が使われています。- 大根
- ナス
- カブ
- レンコン
- 生姜
- シソの実
- なた豆

福神漬けを作ってみよう
なた豆以外は入手が簡単な野菜で作られている、福神漬け。 作り方も簡単なので、自家製の福神漬けを作りませんか?■材料
大根 1/2本(約500g)
人参 1本 (約200g)
レンコン1本 (約100g)
きゅうり 2~3本
ナス 2~3本
しょうが 1かけ
白ゴマ 大さじ2
塩 大さじ1
しょうゆ 300cc
お酢 100cc
砂糖 200g
■作り方
調味液の割合はお好みに合わせて、砂糖の分量を加減してください。またシソの実の塩漬けを加えると、ぷちぷちとした食感がプラス。この他にしいたけ・カブ・長芋をくわえても、食感の違いが楽しめますよ。
- しょうが以外の野菜は薄めのいちょう切りに、しょうがはみじんぎりにする。
- ボウルに野菜を全て入れ、塩を入れてよく揉み込んで20分ほど置く。
- 待っている間に、しょうゆ・お酢・砂糖を合わせて鍋でひと煮立ちさせる。
- 20分置いた2から水気が出るので、よく絞ってから3と白ゴマを加える。
- ある程度冷めたらフタ付きの容器に移し替え、冷蔵庫で一晩置いたら完成。
- 1週間程度をメドに食べきり、保存は冷蔵庫で行うこと。
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