「お疲れ様です」は目上の人に使うと失礼?「ご苦労様です」では?

卒で社会人になったばかりのとき、ビジネスマナーの基本として、まずマスターしたいのが挨拶です。 挨拶はビジネスマンの印象を決める大切な要素ですから、キチッと押さえておきたいですね。

目上の方への挨拶は、たしか『ご苦労様です』ではなくて『お疲れ様です』で合っていると思うけど、いまいち自信がない・・という人もいるのではないでしょうか。

ビジネスの場における目上の方へのあいさつとして、

  • 「お疲れ様です」「ご苦労様です」が適しているのかどうか、
  • また代替えの言葉があるのか、

についてまとめてみました。

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「お疲れ様です」は目上の方につかっても良い?

目上の方へは「お疲れ様です」と挨拶するので正しいのでは?という方は多いと思います。

ところが、「目上の方にお疲れ様ですというのは、間違っているのではないか」という意見があり、この意見についての議論が起きたこともあるのです。

言語学者の金田一秀氏によれば、「『お疲れ様』は本来いたわりの言葉。力のあるものでなければ相手をいたわることはできないので、いわれた側は上から目線を感じてしまう。」とのことです。

また広辞苑を見てみると、「お疲れ様」→相手の労をねぎらう意の挨拶語、とあります。ねぎらうとは、苦労・尽力などをなぐさめ感謝するという意味で、本来上の立場から下の立場へおこなわれるのが自然です。

このような理由から、目下の人から「お疲れ様です」といわれると、違和感をおぼえる人がいるのです。

ただ、文化庁が発表した平成17年度「国語に関する世論調査」によると、自分より職階が上の人に「お疲れ様です」をつかう人が69.2%でした。実際には、世間の約7割の人が「お疲れ様です」をつかっているのですね。

実際、ビジネスマナー講座などでも「目上のひとには『お疲れ様です』と挨拶する。」と教えることが多いようです。

したがって、社内のようすを見て、まわりの先輩方が目上の方に、「お疲れ様です」と挨拶しているその場の雰囲気が自然である場合は、問題はないでしょう。 

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「ご苦労様です」は目上の人につかえる?

目上の方への挨拶で「ご苦労様です」をつかう人はあまり多くないでしょう。前述の文化庁平成17年度「国語に関する世論調査」でも、職階が上の人に「ご苦労様です」をつかう人は15.1%でした。

しかし、ひと昔前の1960年代頃までは「お疲れ様です」「ご苦労様です」の区別はなく、「ご苦労様です」も失礼にはあたらなかったという意見もあるのです。

「お疲れ様です」「ご苦労様です」どちらも言葉の成り立ちとしては上から下へねぎらう言葉であり、日本にはもともと下から上へねぎらう言葉はないのですが、時代に合わせて言葉のつかわれ方は変化してきているのですね。

「お疲れ様です」「ご苦労様です」の代替えになる言葉は?

「お疲れ様です」も「ご苦労様です」も相手によっては失礼な挨拶になることもある、それならこれらの挨拶に替わるものはないのだろうか、と思いますよね。

目上の方への挨拶は、ようは相手の方を気づかう気持ちが伝われば良いのですから、その場の状況にあわせて「おはようございます」「ありがとうございます」「お世話になっております」「失礼いたします」といった挨拶をすればよいでしょう。

こちらの動画のようにその場にあった挨拶が出来たらいいですね。

目上の方への挨拶は相手を尊重して

ビジネスの場には様々な年代・考えの人がいます。

私自身新社会人のころ、社内の年配の女性社員に「お疲れ様です」と挨拶したところ、「お疲れ様って・・・」といわれてしまい、青くなった経験があります。

目上の方に接する際は、相手を尊重し、その方の考えやシチュエーションに合わせて「お疲れ様です」、または「ありがとうございます」「失礼いたします」のような挨拶をつかいわけることで、よい印象を持っていただけるようになりますよ。

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