
「一人静」とは花の形が、そんな「静御前」がひとり美しい舞を舞っている姿を想わせることから名づけられた、白くて可憐な野草です。 そんなヒトリシズカ、野山で自然に咲いている花なのですが、庭で栽培することもできます。
今回は「一人静という花と花言葉について」の、お話をしたいと思います。
一人静(ヒトリシズカ)とは?
あまり聞きなれない一人静(ヒトリシズカ)ですが、いったいどんな花なのでしょう?一人静とはどんな花?
ヒトリシズカは、春の野山にひっそりと咲く、白い花穂が清楚で愛らしい野草。葉の姿だけでも美しく、日陰の庭によく似合い、「わびさび」を感じさせる味わいのある白い花の可憐な植物です。 花の時期は4月下旬から5月頃で、高さは10cmから30cmくらいの小ぶりの花。 野山の林の下などに自生している草花ですが、落葉広葉樹の下や明るい日陰などがあれば庭でも栽培できます。光沢のある葉は美しく、グランドカバーにも良いかもしれません。 日本に古くからあり、薬草としても利用されており、血行改善や利尿作用などがあります。また、中国では神経痛やリウマチ、痛風に効果があるとされています。品種は3種類あります。
- 茎が一本の「ヒトリシズカ」
- 茎が二本の「フタリシズカ」
- 花穂が一回り大きい「キビヒトリシズカ」
一人静の名前の由来は?

すでに義経の敵となった頼朝の前で義経への想いを歌にして舞ったことは、頼朝の激しい怒りをかってしまいます。白拍子の舞」のあまりの美しさに、敵である周りの武将たちも感銘し、頼朝の妻である北条政子の助言により、静御前は一命をとりとめます。 けれども静御前は義経の子を身ごもっており、産まれた子が男の子なら殺すよう、頼朝に命じられます。 その後、静御前からは男の子が産まれましたが、頼朝の命によりとりあげられて由比ガ浜に沈められ、静御前は嘆き悲しむ…という悲しいお話です。
「一人静」の花は、白くたいへん細い花びらが、まるで白拍子が舞を舞っているかのように周りを囲んでいます。 ともすれば、見落としてしまいそうなほどひっそりと控えめに咲いている花ですが、その中にも、凛とした美しさも秘めています。 敵陣の中で、ひとり義経への愛を貫き通し美しく舞った「静御前」のひたむきな美しさを想い起こさせる、可憐で美しい花ですね。
ヒトリシズカを育ててみましょう!
鉢植えで育てる場合は、春の芽出し~開花、葉が固まるまでは、日当たりか午前中日の当たるところで育てるとよいでしょう。 葉が固まったら半日陰に移して、ゆるく風を通してゆったりと過ごさせてあげます。夏、葉がやけるようでしたら、日陰に移してあげましょう。静御前の美しい舞の姿に例えたという花は、派手さこそありませんがとても可憐で美しい花です。落葉樹などの涼しい日陰に、白い可憐な花を群生させられたら素敵ですね!
※自分でも育てられますよ!ヒトリシズカの育て方 https://youtu.be/jKOrfoHUcI0
一人静の花言葉は?
一人静の花言葉としては、- 「静謐」(せいひつ)
- 「隠された美」
「静謐」(せいひつ)は、「静かで落ち着いている」という様子。日陰にひっそりと、静かにひかえめに咲く、可憐な「一人静」にぴったりの花言葉ですね。
そしてもう一つ、「隠された美」という花言葉。色とりどりで自己主張の強い他の花々とは違い、「一人静」は「控えめ」で「清廉」な美しさ。
美しさを自ら主張することなく、内に秘めているような美しさは、まさしく「隠された美」という花言葉にぴったりなのではないでしょうか?
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