水族館の花形といえば、イルカやシャチではないでしょうか。大きな体でスイスイと泳ぎ、時には賢い芸を披露してくれて可愛いですよね。
また海に目を向ければ、大きいクジラも大人気。
ところでこれらの動物は見た目が似ていますが、どこに違いがあるのでしょうか。
今回は、シャチとイルカ、そしてクジラの違いについてまとめてみました。
シャチとイルカの違いは?
実は哺乳類!
海洋動物であるイルカ・シャチ・クジラですが、実は魚類ではなく哺乳類です。
そのため魚と違ってエラがなく、私達人間と同じく肺で呼吸。海の中では呼吸ができないため、海面まで浮上して頭頂部の鼻(噴気孔)から空気を取り込んでいます。
イルカとは
イルカはクジラ類ハクジラ亜目に属する動物のうち、小型の動物の事を指します。
少し曖昧な言い方ですが、生物学上ではイルカとクジラは「同じ仲間」という扱い。
そのためクジラ類ハクジラ亜目でも、
- 体長4メートル以上あれば・・「クジラ」
- 体長4メートル以下あれば・・「イルカ」
という分類になります。
イルカは賢いの?
水族館などで芸を披露する事の多いイルカですが、脳のサイズは人間と同じぐらい。イルカは人間並に賢いのではと研究する学者も多いですよね。
でも実際はそこまで賢くないという研究結果もあります。というのも海中で暮らすイルカが人間並の脳を持つと、取り込める酸素の量が足りなくなってしまうから。
そのため脳は大きくても、人間以上に活用できない可能性が高いんですよ。
またイルカは高周波音を発して、会話のようなコミュニケーションを取ることが知られています。集団で生活する個体もあることから、そういった意味では賢いのかも知れませんね。
□名古屋港水族館 トレーナーと遊ぶイルカ
※人間とも遊んだりと、お茶目な一面もあります。
シャチとは
シャチは、クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科シャチ属に属する動物。
実はイルカに属する動物の一つが、シャチなんですよ。なのでイルカとシャチは、生物学上では同じ動物となります。
シャチはイルカの中ではもっとも大きく、オスで約6メートル・メスで約5メートルまで成長します。
またイルカの一種のためイルカと同様に賢く、高周波音を出してコミュニケーションを取る特徴があります。
□話しかけてくるシャチの親子がかわいすぎる。 名古屋水族館
※実はイルカよりも活動的で、水族館の観客に興味を示すと見に行くほどです。
海の王者
一方でシャチは「ホエールキラー」の異名を持ち、海の生態系の頂点に君臨する動物。
魚・イカ・タコやペンギン・アザラシ、そしてイルカ・クジラすら襲って食べてしまうほど。
泳ぐスピードも海洋生物ではトップクラスで、時速70キロ近くになるほどです。
ちなみにクジラとの違いは?
クジラとは
クジラは哺乳類クジラ目および鯨偶蹄目鯨凹歯類に属する、動物の総称。
体長は最大で30メートルになる種類もあるほどで、陸上・海上合わせても最大の生き物でもあります。
実はクジラの分類の中にイルカが含まれ、更にイルカの中にシャチが。
そのため生物学上では、イルカとシャチも同じクジラの一種という扱いになります。
ヒゲクジラとハクジラ
クジラを大きく分けると、
- ヒゲクジラ
- ハクジラ
に分かれます。
「ハクジラ」は、その名の通り「歯」が生えているクジラのこと。イルカやシャチも歯があり、「ハクジラ」の分類となります。
一方の「ヒゲクジラ」は、歯がある部分に「ヒゲ板」というヒゲ状の器官が生えているもの。
この部分で海水をろ過し、引っかかったオキアミや小魚を食べて生きています。
クジラの中で最大級の大きさを誇る「シロナガスクジラ」も、実はヒゲクジラの一種。体長30メートル以上になる体を維持するために、1日で4トン以上の小魚などを食べるんですよ。
それぞれの違いのまとめ
最後に、シャチ・イルカ・クジラの簡単な違いをまとめました。
- イルカの一種で、体長5~6メートルほどになる。
- 好奇心旺盛な一方で、クジラやイルカも食べる海の生態系の王様。
- 高周波を発し、仲間同士でコミュニケーションを取る。
■イルカ
- ハクジラのうち、基本的には体長4m以下のものを指す。
- 脳が大きいので人間並みの知性があると言われているが、そこまで賢くはない。
- シャチ同様に、高周波でコニュニケーションを取る。
■クジラ
- 生物学上では、イルカもシャチもクジラ。
- シャチやイルカを含んだ「ハクジラ」と、「ヒゲクジラ」という種類がいる。
- 大きさは4メートル以上のものから、最大で30メートル以上になるものもいる。
実は同じだった
似ている部分の多いイルカとシャチですが、実は同じクジラの仲間とは驚きますね。
クジラのうち体長約4メートル以下で、歯が生えているものがイルカ。
イルカのなかで、最大級の大きさを誇るのがシャチ。
そして歯の生えているものの他に、ヒゲ状の歯が生えている大きいものがクジラとなります。
名前は違っても同じ仲間のこれら3種類を、水族館などでじっくりと観察しませんか?
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