ちらし寿司や太巻きによく使われる、桜でんぶ。きれいなピンク色がかわいくて、味も甘く食べやすいので、子供たちにも人気ですよね。
3月の桃の節句のひな祭りでも、多くのご家庭で桜でんぶを使ったちらし寿司を作られるのではないかと思います。
お祝い事や行事で使われるこの桜でんぶ、一体どのようにして作られているかご存知でしょうか?
桜でんぶの原料や作られ方、お祝い料理以外の使い道についてご紹介します。
桜でんぶとは?
そもそも「でんぶ」とは何でしょうか?
「でんぶ」は漢字で「田麩」と書き、魚や肉を加工した佃煮の一種のことをいいます。
田麩は中国や台湾、東南アジアで作られていて、国によって原料や作り方が異なります。
たとえば中国では豚肉や牛肉の繊維をほぐして調味した田麩を粥に乗せたり、卵焼きに混ぜ込んで食べるそうです。それからミャンマーでは海老を使って田麩を作るそうですよ。
同じ「田麩」でもところ変われば全く別のお料理になるんですね。
これに対して、日本の田麩は魚肉を使って作られることが多く、そのなかでも白身魚をそぼろ状にして味をつけ、薄紅色に色付けしたもののことを「桜でんぶ」と呼んでいるのです。
桜でんぶの原料は?
桜でんぶの原料として使われる魚は、鯛(たい)や鱈(たら)などの白身魚です。
作り方は次の通りです。
- 三枚におろした白身魚を茹でます
- 骨や皮を取り除きます
- 圧搾して水気をしぼります
- 焙炉にかけてもみくだきます
- 酒、みりん、砂糖、塩で調味して煎り上げます
- 食紅で淡いピンク色に色付けしたら出来上がり!
桜でんぷは意外と手間をかけて作られているんですね!
でも材料自体はシンプルなので、家庭で作ることも可能なのだそうですよ。大人は甘さ控えめ、など調整ができて良いかもしれません。
桜でんぶの使い道は?
ちらし寿司や太巻きに使った桜でんぶが余ってしまうことってありますよね。
お祝い事の料理に欠かせない桜でんぶですが、それ以外の料理にはどのように使えばよいでしょうか?
キャラ弁に!
お子さんにお弁当を作られている方は、キャラ弁に活用するのがオススメです。
キャラクターのほっぺたやハートマークに桜でんぶを使うと、見た目にもかわいいキャラ弁になり、子供が喜んで食べてくれますよ。
三色丼に!
ご飯の上に、炒り卵、茹でた絹さや、そして桜でんぶを乗せ、刻みのりを散らして三色丼に。お弁当にも休日のお昼ごはんにもなります。
そういえば、子供のころ私の母もこの三色丼をたまにつくってくれました。そのためか、桜でんぶの色や香りには何となく子供のころの懐かしさも感じます。
『となりのトトロ』のさつきちゃんの手作りのお弁当にも使われていましたしね・・。
卵焼きに混ぜる!
溶き卵に桜でんぶを混ぜて、卵焼きを作ります。白身魚と卵は合いますし、桜でんぶの甘みで甘い卵焼きになります。
※桜でんぶと青のりを使った三色卵焼き。彩りも良くて、美味しそうです!
トーストにも!
バターを塗ったトーストの上に、桜でんぶをふりかけていただきます。
バターの塩分と桜でんぶの甘さの組み合わせが、甘じょっぱくて意外と美味しいですよ。
普段のレシピにも活用できます!
桜でんぶは白身魚を和風の調味料で味付けした、日本らしさを感じる食べ物です。
お子さんに「このピンクの、何からできてるの?」と聞かれたら、「お魚から出来ているのよ」と教えてあげて下さいね!
今年も桜でんぶを使ってひな祭りのお料理を作るのが楽しみですね。
そして、もし桜でんぶが余ってしまっても、卵焼きやトーストなど普段のお料理に、ぜひ活用してみてください!
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