小麦粉と片栗粉の違いとは?代用はできるの?

毎日のお料理に、なにかと登場する食材といえば、「小麦粉」「片栗粉」。 お肉にまぶしてソテーしたり、とろみをつけたり、毎日のお料理にはかかせませんね。とりあえず常備しておかないといざという時けっこう困る、調理の必需品といえます。 使い方も見た目もよく似た小麦粉と片栗粉は一体どんな違いがあるか、ご存知ですか? 似ているようでいて実際には使い勝手が違うものですが、「そもそも成分はどう違うの?」と聞かれると…ちょっと考えてしまう感じでは? そして、「片栗粉がいるのに買い忘れた!」というピンチの時、片栗粉の代わりに小麦粉で代用することは、できるのでしょうか?

意外といろいろな疑問のある「片栗粉」と「小麦粉」ですが、今回は、そんな「小麦粉と片栗粉の違いと代用」について、お話したいと思います。

目次

片栗粉と小麦粉の違いとは?

白くて見た目のよく似た「小麦粉」と「片栗粉」ですが、そもそも何から作られているのでしょう?そして成分には、どのような違いがあるのでしょうか?

「小麦粉」の原料と成分

「小麦粉」とは、小麦が原料で、小麦を挽いて粉にしたもの。 小麦粉の成分は、
  • 「デンプン」7~8割
  • 「たんぱく質」1割前後
が含まれています。 このたんぱく質の含まれる割合によって、小麦粉の中で
  • 薄力粉
  • 中力粉
  • 強力粉
と種類が分かれています。

「薄力粉」 たんぱく質が8.5パーセント以下(お菓子や天ぷらなどに使われます) ・「中力粉」 たんぱく質が9パーセント以下(うどんなどに使われます) ・「強力粉」 たんぱく質が12パーセント以上(パンやピザ、餃子の皮などに使われます)

小麦粉に含まれるこのたんぱく質は「グルテン」といって、小麦粉に水を加えたときにでる粘り成分で、パンを焼いた時の弾力性はこのグルテンの働きによります。 小麦粉には「デンプン」だけでなく「グルテン」が含まれるのが特徴!ということになりますね!

「片栗粉」の原料と成分

片栗粉の成分は、「デンプン」100パーセントで出来ています。 原料はというと、かつてはユリ科の「カタクリ」の根から、デンプンをとっていました。 しかし、現在は「カタクリ」の収穫量が減っており、収穫量の多い「じゃがいも」からとれたデンプンを使ったものが、ほとんどとなっています。 「片栗粉」の名前がなぜ「カタクリ」というのか、以前から不思議でしたが、「カタクリ」という植物の粉だったんですね!

片栗粉の代用に小麦粉は使用できる?

成分や原料に違いのある「片栗粉」と「小麦粉」ですが、料理の途中などで「片栗粉が足りない!」という時、急遽「片栗粉を小麦粉で代用」ということ、できるのでしょうか?

小麦粉は片栗粉と違って、たんぱく質も含まれますが、どちらも「デンプンが多く含まれる」という共通点があるので代用は可能です。 小麦粉を使用する時は、「水1:小麦粉1」の割合で溶かして使えば、多少の「とろみ」をつけることができ、片栗粉のかわりとして代用することができます。 小麦粉の種類は、中力粉か薄力粉であれば、特に問題なく代用可能です。 ただし小麦粉は片栗粉にくらべて粉の粒子が小さく、たんぱく質も含むため、焦げやすくなります。 小麦粉で代用した時は、焦げないように、よくかき混ぜるように注意しましょう!

片栗粉の代用に使える他の材料は?

では小麦粉以外で、片栗粉のように「とろみ」をつけるには、どのような食材があるのでしょうか?実はこんなものも使えますよ!

コーンスターチ

コースターチとは、トウモロコシのデンプンから作った粉です。 お菓子作りによく登場する食材で、お菓子作りをされる方には馴染みのある食材かもしれませんね。カスタードクリームの粘りをだしたり、焼き菓子の歯ごたえを出す時などに、よく使われています。 ただ、お菓子作りはあまりしない人にとっては、わざわざ買っておくものでもなく、常備していない家庭のほうが多いかも?という食材ではありますが。 家にあるようであれば、片栗粉の代わりに汁物などに入れると、粘りをだすことができ、「とろみ」をつけるのに使えますね。 使用する時は「水1:コンスターチ1」の分量で、溶かして使います。 ただし、少し風味があるので、味の薄いお吸い物などでは気が付かれる可能性も?カレーやシチューなど少し味の濃いメニューであれば、風味も目立たず、安心して使えますよ!

くず粉

くず粉とは「クズの根」からとれるデンプンを生成して作った粉。 くず餅やくず湯でおなじみの、透き通ったなめらかな食感で、とても片栗粉に似ています。食感も見た目も片栗粉に似ていているため、片栗粉の代用にとてもよい食材です。 特定の料理に使うことの多い食材なので、くず粉が家にない!という方も多いかもしれませんが、あれば片栗粉の代用として使えて便利ですよ。 ただし「冷えると粘りが少なくなる」ことや、「冷えると固まる」という特徴があります。 冷まさず温めたまま食事をいただくなど、使い方に少し注意が必要ですが、常備しておくと、いざという時に重宝な食材かもしれませんね。

じゃがいも

現在の片栗粉の原料のほとんどは、「じゃがいも」からデンプンをとっています。 ですから、実は「じゃがいも」そのものでも代用できる!ということにもなります。じゃがいもをすりおろしてお料理に入れてしまえば、片栗粉と同じような「とろみ」を出してくれますよ。 じゃがいもだったら、家に常備していることも多く、急に代用することもできて便利ですね。なんといっても原材料も片栗粉と同じですから、同じ感じで使えて安心です!

レンコン

じゃがいもと同様に、わりと家に置いてある確率の高い「レンコン」。 実は、レンコンも片栗粉の代用として「とろみ」をつけることができます!レンコンには「ムチン」という粘り成分が含まれており、この成分ため、片栗粉と似た「とろみ」をつけることが出来ます。 すりおろして、汁物などに入れると、「とろみ」をつけられ、片栗粉の代用になります。 ただし、でんぷん質とは違う成分のため、片栗粉よりは少し粘り気が弱くなるかも?使う際は、様子をみて量を調節して使うとよいかもしれません。

※すりおろしレンコンで自然なとろみ!「きのこのとろとろスープ」レシピ

次回はあわてず、家にあるもので!

ご飯作らなきゃ!とはりきって料理に取りかかったものの、「あれ?片栗粉がない!」ということ、よくあります。 反対に片栗粉はあるのに小麦粉がない!もあり…料理を始めてしまってから気付くと、困りますね。 そんな中でも一番困るのが「とろみ」つけるだけの段階で、片栗粉がないことに気づいた時かも?「とろみ」のない「酢豚」も「麻婆豆腐」もあり得ないし…どうしたものやら、困りますよね。 コーンスターチとくず粉は、残念ながらわが家は常備していませんが、じゃがいもかレンコンだったら、高い確率で家にありそうなので使えるかも? 今度はあわてず物知り顔で、じゃがいも等をすりおろして、ピンチを乗り切りたいと思います!
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