冷たいデザートといえば、かき氷にアイスクリームが定番。また昔からあったシャーベットも、とてもオシャレになっていて見直されています。
ところでシャーベットと似たようなデザートに、ソルベやグラニデ・ジェラートがあります。
特にソルベはシャーベットと同じものに見えますが、どこに違いがあるのでしょうか。
そこで、
- ソルベとシャーベットの違い
- グラニデやジェラートの違い
- それぞれのまとめ
…について紹介するので、食べる時の参考にしてくださいね!
ソルベとシャーベットの違いは?
起源は同じもの
ソルベもシャーベットも、起源をたどるとアラビア語の「シャルバード」にたどり着きます。
シャルバードとは、果物などのシロップを水で薄めて砕いた氷を加えた飲み物。これが9世紀頃に現在のイタリア・シチリア島に持ち込まれ、ヨーロッパ全土へと広まりました。
その際に「ソルベ」「シャーベット」「グラニデ」「ジェラート」など、様々な名称とレシピが誕生したのです。
シャーベットとは
シャーベットはアメリカで発展したもので、シャーベット自体もアメリカ英語の扱いとなります。
シャーベットの特徴は、それまで使われていたフルーツジュースに牛乳・卵白・ゼラチンをプラスした点。現在のアメリカでは、「シャーベットには乳脂肪分を1~2%含む」事が求められています。
またアイスクリームとの区別をするために、アイス以上に甘味料もプラス。
そのためアメリカでは、アイスよりも甘くて乳脂肪分の少ないものとして販売されているんですよ。
オレンジシャーベット
家庭でも簡単に作れるのが嬉しいですね。
アメリカ以外でのシャーベット
実はシャーベットは、アメリカと日本で主に食べられているもの。
同じ英語を使うイギリス・オーストラリアでは、シャーベットは炭酸入り粉ジュースをさします。日本でも駄菓子屋で見かける粉ジュースに近く、水に溶かして飲むものになるので注意が必要です。
ソルベとは
ソルベはシャルバードがフランスに伝わった際に、フランス語に直されたもの。
シャーベットとは違い、牛乳・卵白・ゼラチンは使われていません。ワインなどのお酒を使うこともあり、シャーベットと比べると繊細で高級感がある特徴も。
そのため特に日本では、ソルベはワンランク上のスイーツとして扱われています。
ちなみにグラニテやジェラートの違いは?
グラニデとは
フランス料理のフルコースで出されるグラニデは、フランス語で「ざらざらしたもの」という意味。ソルベと同じくフランスを中心に発展したものですが、ソルベよりも氷が荒い特徴があります。
元々フルコース料理の、魚料理と肉料理の間の口直しとして出されていたグラニデ。
そのためソルベよりもさっぱりした、甘みが薄めで上品な味わいが特徴。柑橘類の果汁・ワイン・シャンパンのほかに、トマトなどの野菜が使われることもあるんですよ。
ジェラートとは
「ローマの休日」で有名になったジェラートは、イタリア語で「凍った」という意味を持つ氷菓。
ソルベやグラニデと違い、果汁や果肉・牛乳・砂糖などを混ぜて凍らせて作ります。
ただしシャーベットより乳脂肪分が高く、4%~8%前後含まれるのが一般的。また、アイスクリームよりも空気を含まないように作るため、アイスよりも味が濃厚に感じられます。
それぞれの違いのまとめ
ここが違う!
最後に、シャーベット、ソルベ、グラニデ、ジェラート、それぞれの違いを簡単にまとめました。
- ジャルバードという飲み物がヨーロッパに広まった後、アメリカに伝わったもの。
- 果汁・牛乳・卵白・ゼラチンを混ぜて作り、味付けは甘め。
- イギリスでシャーベットという場合、炭酸入り粉ジュースを指す。
■ソルベ
- 元はシャーベットと同じくシャルバード。これがフランスに伝わったもの。
- 牛乳・卵白・ゼラチンは使わない。
- ワインやシャンパンを使うことがあり、上品な味わいが楽しめる。
■グラニデ
- フランス語で「ざらざらしたもの」という意味で、ソルベより氷が荒い。
- フルコース料理の、口直しのデザートして出されることが多い。
- 甘さ控えめの、さっぱりした味わいが特徴。
■ジェラート
- イタリア語で「凍った」という意味のある氷菓で、果汁や牛乳・砂糖・卵白が使われている。
- これらの中では一番乳脂肪分が多く、しかもアイスよりも味が濃厚に感じられる。
違いを味わって!
甘くて冷たいデザートは、夏の暑いときこそ食べたくなるもの。
似ている部分が多いシャーベットやソルベは、はっきりした特徴があるので覚えておきたいですね。
甘いものが食べたいときはシャーベット、濃厚な味を楽しみたいならジェラート。さっぱり上品にいただきたいならソルベ、そしてフルコースのときに出されるグラニデ。
起源は同じなのに違うものへと発展した部分を、しっかり味わって食べましょう!
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