ふんわり膨らんだシフォンケーキや、しっとり柔らかいどら焼きの皮。これらを作るのには、生地をふくらませる「ふくらし粉」が欠かせません。
レシピによっては「ベーキングパウダー」を指定されたり、「重曹」が指定されるふくらし粉。
同じような働きをするこれらの粉ですが、違いはどこにあるのでしょうか。
そこで、
- ベーキングパウダーと重曹の違い
- ベーキングパウダーと重曹は代用が可能か
…についてまとめたので、お菓子作りの参考にしてくださいね!
ベーキングパウダーと重曹の違いは?
重曹とは
重曹の正式名称は、「炭酸水素ナトリウム」というもの。別名「重炭酸ソーダ」といい、重曹は「重炭酸ソーダ」を省略したものなんですよ。
料理以外にも使われる重曹ですが、料理用には「食用」として精製されたものを使用。市販品の中には食用に使えないものもあるので、その点を確認して購入しましょう。
重曹最大の特徴は、「水をくわえて加熱すると二酸化炭素が発生する」点。この反応が、生地をふくらませるのに利用されています。
その膨らみ方は横方向で、それほど大きくは膨らみません。また生地がやや黄色味を帯び、ほんのり苦味が残る特徴もあります。
https://youtu.be/spRbccTdSsw
※どら焼きの素朴な味わいは、重曹の風味も一役買っています。
膨らませる目的以外にも、重曹は様々な料理で使われています。
例えば山菜のアク抜きや、肉の下ごしらえで重曹を使って柔らかくしたり。またラーメンの麺にかかせない「かんすい」は、重曹が使われることが多いんですね。
ベーキングパウダーとは
ベーキングパウダーは、主に洋菓子で使われる「ふくらし粉」です。
その材料は重曹をベースに、クエン酸・リン酸カルシウム・酒石酸・コーンスターチなどを加えたもの。いずれも膨らみをよくしたり、見た目や味がより良くなる成分を追加しています。
ベーキングパウダーを使用した場合、生地が縦にふんわり膨らむ特徴が。また生地は小麦粉など材料の色がそのまま再現され、味も特に変わらない特徴もあります。
※シフォンケーキのあのふわふわは、ベーキングパウダーが一役買っています。
一方で重曹と違い、水を混ぜた時点で膨らむ特徴も。そのためベーキングパウダーを混ぜたらすぐに焼かないと、うまく膨らまないことがあります。
ベーキングパウダーと重曹は代用できるの?
重曹で代用する場合は
ベーキングパウダーがないので、重曹を代わりに使いたい場合はいくつか注意点があります。
まず生地の色が黄色っぽく変わるため、見た目が重要なお菓子は不向きなこと。更に膨らみ方もベーキングパウダーより静かなので、使用する量は2倍にする必要も。
また重曹の量が増える分、色味や味にも影響が出る点も注意しなければなりません。
そのためココアを混ぜたケーキやクッキー、多少の苦味があっても大丈夫なお菓子作りに利用しましょう。
ベーキングパウダーで代用する場合は
逆にベーキングパウダーしかない場合は、どうすればいいのでしょうか。
ベーキングパウダーの材料には重曹が含まれているため、代用することは可能です。ただし重曹より膨らむため、使用する量は1/2程度に。
さらにふんわりと焼きあがるため、イメージと違った焼き上がりとなります。特に和菓子に使う場合、重曹の風味も味のアクセントになる点を覚えておきましょう。
ちなみにアク抜きや肉の下ごしらえなどにも、ベーキングパウダーは使用可能。この場合はは、重曹と同量で問題ありません。
重曹とベーキングパウダー、違いのまとめ
重曹とベーキングパウダーの特徴・違い・使い方について、簡単にまとめました。
- 正式名称は、炭酸水素ナトリウム。
- 料理用以外にも、様々な用途に使われる。
- 水をくわえて加熱することで、生地が横に膨らむ特徴がある。
- 生地が黄色っぽくなり、やや苦味が加わってしまう。
- 膨らませる以外にも、アク抜きや肉の下ごしらえなどにも使われる
- ベーキングパウダー代わりに使う場合は、指定された2倍の量を入れる。
- 重曹をベースに、膨らませやすい材料などを混ぜられている。
- 水と混ぜると、縦方向にふんわりと膨らむ。
- 混ぜても、生地の色や味をあまり変えない。
- 膨らませるためのもので、その他の用途にはあまり使われない。
- 膨らませる目的で重曹がわりに使う場合は、指定された量の1/2にする。
- アク抜きなどで重曹の代わりに使う場合は、同量で問題ない。
特徴を把握して使おう
ペーキングパウダーも重曹も、お菓子作りの上では生地を膨らませるのに使用します。しかし膨らみ方や見た目
に違いが出るので、同じものと思って使わないほうが良いでしょう。
縦にふんわり膨らみ、生地や味にあまり影響を与えないベーキングパウダー。
横に静かに膨らみ、生地と味に多少の変化を与える重曹。
それぞれ代用も可能ですが、特徴を理解した上で使いたいですね。
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