「いつもと同じように炊いているのに、何だかごはんの風味が以前と違う、買ってきたばかりのお米の方が美味しかったような・・?」
・・と感じたことはありませんか?
生鮮食品であるお米は精米したてが一番美味しく、日数がたつごとに少しずつ風味が失われてしまいます。
せっかくの美味しいお米を最後までおいしく召し上がるために、おすすめの保存方法や最適な保存期間についてご紹介します。
お米を劣化させてしまうポイント
買ってきたお米を袋のまま、輪ゴムでとめて保存していませんか?
実はお米の袋には小さな空気抜き用の穴が開いています。これは陳列しやすくするためという流通上の理由によるものなのですが、お米を袋のままにすることで、穴から新しい空気が入ってお米がどんどん劣化してしまいます。
お米を劣化させるポイントは、
- 高温
- 湿気
- 酸化
の三つの要素です。
高温(18℃以上)状態がつづくとお米につく虫の発生の要因になります。また、湿気はカビがはえる原因となります。特に春夏の高温多湿な季節は要注意ですね。
そして、酸化によってお米の新鮮さが失われ、風味が落ちていきます。お米を貯蔵する温度を10℃下げると、酸化の速度を半分近くに遅らせることができます。
ご家庭のキッチンにおいて、以上の三つのポイントをクリアする場所が、冷蔵庫の中です。
またお米は表面に小さな穴がたくさんあいていて匂いを吸着しやすいので、なるべく空気に触れないよう密封した容器、たとえばジッパー付きのビニールやペットボトルに入れて、冷蔵庫で保管するのがベストです。
※こちらのように漏斗(じょうご)を使えば、お米をペットボトルに入れるのもラクラクですね!↓
「私はイマコレ!『お米保存ペットボトルキャップ&ロート』」
お米の上手な保存方法とは?
保存期間については、加工食品ではなく生鮮食品(農産物)である米には野菜などと同じく消費期限・賞味期限の記載義務がありません。
なるべく早く食べるに越したことはありませんが、一般的に開封前のお米がおいしく食べられる期間は、
- 春夏で精米から一カ月
- 秋冬で二カ月
開封後のお米はそれよりも当然短くなってしまいますが、「密閉して冷蔵庫で保管する」という方法で、お米がおいしい期間をより長く保てますよ。
炊いた後のお米の保存方法と、保存期間は?
ごはんは炊きたてが何と言っても一番おいしいのですが、全部食べられなくて保存したい場合、どのようにするのがよいでしょうか。
保温にしておくのは?
多くの方がご存知のとおり、ごはんが炊き上がり、炊飯器を保温にしてそのままにしておくと、色が黄ばんで食感もぼそぼそと悪くなってしまいます。
これは、アミノ・カルボニル反応と呼ばれるもので、米飯中の糖・タンパク質・アミノ酸が高温状態で反応して起こります。保温中の炊飯器のなかはおよそ70℃で、この反応が起きやすい状態なのです。
保温機能を使うのは長くても1時間程度にとどめましょう。
冷凍は?
すぐに食べないと分かっているときはなるべく早く冷凍してしまった方がよいですね。
冷凍保存すれば、ごはんの中の水分も一緒に冷凍されるので、解凍したときに炊き立てのごはんに近い食感になります。
冷蔵保存もできますが、水分が蒸発してパサパサになってしまうので、あまりおすすめできません。
常温保存は?
そして常温保存ですが、ごはんは基本的に常温保存できる時間が非常に短く、
- 春なら12時間
- 夏場は6時間
- 秋冬で24時間
ほどです。この時間を過ぎると腐敗の危険が高くなってきます。冷蔵庫でも3日ほどが限界です。
実際はどの方法が良いの?
炊いたごはんの保存方法のおいしさと保存期間についてまとめると、
■美味しさ
炊き立てを冷凍して解凍 > 常温 > 冷蔵庫
■保存期間
炊き立てを冷凍 > 冷蔵庫(3日まで)> 常温(秋冬でも24時間)
となり、やはり炊き立てで食べられなかったごはんは即、冷凍保存がオススメです。
精米したて、炊きたての状態に近づけることで、お米をよりおいしく!
お米を一番おいしく食べる究極の方法は、精米したばかりのお米を炊き、炊き上がったらすぐにいただくことですが、お米農家の方でもなければとても無理なことです。
わたしたち一般家庭で美味しいお米を食べるためにできることは、お米を密閉して冷蔵庫で保ち、なるべく精米したての状態を長くすること、そして炊き立てのごはんを保存する際は冷凍保存で、という方法です。
日本人の食卓の基本、ごはんをより美味しくいただきましょう!
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