小さいお子さんがいる方で、子供の目やにが急に増えて驚いたことのある方いませんか?
そんな時は、
- 単に様子を見ていればよいのか
- 病院に連れていくべきなのか
迷いますね。
そもそも子供の「目やに」とは、どのような原因でできるのでしょうか?
また病院で診てもらった方がよい場合とは、どのような症状の時なのでしょうか?
今回は、「子供の風邪と目やにの関係と原因」について、お話したいと思います。
子供の風邪で目やにが増える原因は?
目やにの原因は、大きく分けて2種類あります。
■正常な代謝による「目やに」
朝に少量出る目やには、目の細胞の正常な代謝によってできる老廃物ですので、特に問題ありません。
■病気が原因の「目やに」
目やにが多量に出る場合や、黄緑色のどろっとした目やにが大量に出る場合、何らかの病気に感染している可能性があります。病院で診断してもらいましょう。
さらさらした涙状の目やにであっても、多量に出る場合はアレルギー反応の場合があります。アレルゲンを特定することで改善できますので、早めに病院で診てもらうといいですね。
目やにが増える目の病気には何がある?
ウィルス性結膜炎
ウィルス性結膜炎とは、感染力が強い流行性の感染症で「はやり目」とも言われます。
特に感染力が強く、まぶたの内側と白目の表面の結膜がウィルスによって感染する炎症反応です。
あっという間に周りにうつるため、保育園や学校では出席停止などが必要になることも。また、手洗いをよくすることやタオルを共用しないなどの注意が必要です。
咽頭結膜熱
咽頭結膜熱は夏によく流行する感染症で、別名「プール熱」といわれます。
原因となるウィルスはアデノウィルス。6月~7月にかけて活発になります。
目やにが多量に出たり、充血、かゆみなどの症状が出ます。その他にも、高熱、腹痛、下痢などいわゆる風邪の症状が出ることも特徴ですね。
この病気も手からの感染が多いため、こまめな手洗いが必要です。
細菌性結膜炎
細菌が原因の感染症で、大量に目やにが出ます。細菌性結膜炎はウィルス性に比べると、感染力は強くありません。
しかし、免疫力が弱い小さいお子さんは、身近に感染源をもつ人がいると簡単にうつることがあります。他の風邪にかかっている時や体力が落ちている時には、とくに注意が必要ですね。
アレルギー性結膜炎
アレルギー反応により、目の炎症がおきるのがアレルギー性結膜炎。
その一つが、花粉が原因物質の「花粉症」。花粉が入ることで体内の免疫が活発になり、大量の目やにや、かゆみを引き起こします。
花粉症の方は、花粉が飛ぶ季節に身体や布団に花粉がつかないようにすることが大切。また、アレルゲンがハウスダストの場合は、家の中を清潔に保ち、換気をするなどが必要です。
アレルギー性の場合はアレルゲンを特定することで、対処が可能になりますよ。
先天性鼻涙管閉塞症
通常、涙は鼻涙管(びるいかん)という管を通って、鼻から外に出ていきます。
しかし、先天的にこの鼻涙管が、膜のようなものでフタをされている症状を、先天性鼻涙管閉塞症といわれます。
この状態になると、眼球にたまった涙がうまく外に排出されずに管の中で炎症を起こし、大量の目やにが。生まれてまもない頃から大量に目やにが出るようであれば、鼻涙管のつまりを疑ってみることも必要かもしれません。
涙嚢炎(るいのうえん)
涙が、途中にたまる袋を「涙嚢」(るいのう)といいます。何らかの理由で鼻涙管がつまり、涙嚢が炎症を起こすのが「涙嚢炎」(るいのうえん)。
原因としては、涙が過剰に作られるためや涙嚢の詰まりによる等が考えられ、お年寄りや赤ちゃんに多くみられます。
急性の多くは軽症ですが、慢性になると目の下が赤く腫れて痛みを生じます。腫れている箇所には膿(うみ)がたまっているので、手で触れないよう注意しましょう。
治療は主に抗生物質の投与ですが、腫れがひどい場合は外科的な処置が必要になりますね。
目やにが増えたときどう対処すればいい?
お子さんの目やにが大量に増えた時は、何らかの「感染症」が疑われます。
ですから、まずは「感染が広がらないようにすること!」が大切。家庭ではどのようなことに気をつければよいでしょうか?
感染を広げないために必要な3つのポイント!
1 感染している子供と、同じタオルを使わない
同じタオルを使うことにより、タオルを介して他の家族にうつる可能性があります。
必ずタオルは別々にしましょう。
病気のお子さんが使ったタオルは、使ったらすぐに洗濯するよう気をつけたいですね。その際、さらに煮沸するか塩素系の洗剤を使うと、殺菌になり安心です。
2 子供が使っている布団に、目やにがつかないようにする
病気のお子さんが寝ている間に、布団に細菌やウィルスが付き、近くの兄弟に感染してしまうことがあります。
そのため、
- 布団カバーは毎日洗う
- 枕カバーにタオルを巻く
- 掛布団の首のあたりにタオルをあてがう
などの工夫が必要です。
3 子供が目をさわる前に、目やにを取ってあげる
子供は目やにが出ると自分の手で取ろうとしますが、手から感染が広がってしまいます。
ですから、お子さんが目をさわる前に、目やにを上手にとってあげましょう!
※目やにの上手な取り方の手順をご紹介します。
- 清潔なティッシュペーパーやガーゼ、濡らしたタオル、綿棒などを用意する。
- ティッシュかガーゼ、綿棒などで、目の真ん中から目頭の方へまぶたを拭く。
- 同じく目の真ん中辺りから目じりの方へまぶたを拭く。
- 使用したティッシュ、ガーゼ、綿棒などは、すぐに捨てる。
- 目やにが硬い場合は、濡らしたタオルやウェットティッシュで湿らせてから、拭き取る。
お子さんは朝起きたときに目をこすってしまうことが多いのもの。お子さんを朝おこしてあげる時に、目やにのケアをしてあげるといいですね!
※見るとよくわかる!「目やにの取り方」動画です。こちらも参考にしてみて下さいね。
「病院の受診」と「手洗い」の重要性
目やには誰でも出るものですが、いつもより大量に出ている!と気づいたら、できるだけ早めに病院でみてもらうようにしましょう!
特にウィルス性の結膜炎は、感染が早くすぐに周りに広がってしまいます。
また、症状が落ち着いた後でも、角膜に後遺症が残って目が見づらくなったり、視力に影響が出ることもありますので、しっかり治療することが大事です。
なにはともあれ、目の感染症は、何よりも「手洗い」が重要です。普段からこまめに「手洗い」をする習慣をつけてあげましょう!
子供の変化をキャッチしましょう!
毎朝出る「目やに」。いつものことだからと、軽くみてしまいがち。でも実は、何かしらの病気が原因でおきていることもあるので、注意が必要ですね。
「目やに」に限らず、日頃からお母さんたちは、子供のことに関して「なんだかいつもと違う?」とか「何か変だな…」など、子供の微妙な変化に「独特の勘」が働くこともあるのでは?
なんだか「いつもと違うな…」と感じたら、自分の勘を信じて、いつもより注意深く子供を見てあげることが大切かもしれませんね。
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